外来ミニ講座(コラム)
仮想現実でリハビリ?

2025.08.04

 近年では、ゲーム業界では有名なVR:Virtual Reality(仮想現実)技術をリハビリテーション業界に導入する動きが見られるようになっています。

 従来のリハビリテーションに比べて、エンターテインメント性が高く、遊び感覚で行えるのがVRリハビリテーションの特長です。

 その内の一つである「mediVR カグラ」はVR技術を活用した次世代リハビリテーション機器です。脳卒中後の麻痺、パーキンソン病、認知症、発達障がいなど、運動や認知機能に課題を抱える子どもや高齢者が、楽しく、効果的にリハビリテーションを続けられるよう開発されました。

 「mediVR カグラ」は座ったまま安全に楽しく実施でき、医学的に効果の証明された独自の「体性認知協調療法」と呼ばれる治療法に活用することが可能です。現在、全国の病院や介護施設、教育現場で導入が進んでいます。

 この装置は、2024年11月に開院した、当院関連施設である尼崎中央リハビリテーション病院にも導入されています。

 ゴーグルのようなヘッドマウントディスプレイを装着して、両手にコントローラーを持ちます。そして、ディスプレイの中に映し出されるVR空間の中で様々な目標オブジェクトに対してコントローラーを持った手でリーチ動作(手を伸ばす運動)を行います。

 私も初めてのVR体験をしてみましたが、没入感がすごくて、集中しながら運動が行えた感覚と楽しさがありましたよ。