外科

当科の特徴

当院外科では、消化器(胃、大腸等)を中心として、肝臓、胆嚢、膵臓等を含む消化器全般の手術を扱っています。また、乳がんの手術も行なっています。
当科の特徴としては、大腸癌(結腸、直腸癌)手術の経験豊富な専門医の元に、ほぼ全例を腹腔鏡下に行なっており、良好な成績を上げています。特に肛門近くにできた直腸癌に対しては、手術前に放射線化学療法を加えることにより、可能な限り人工肛門を作らない手術を行なっております。
また、肛門疾患も治療対象としており、痔核、痔瘻、脱肛等の手術をしていますが、痔核に対しては硬化療法(ジオン注)も積極的に行なっています。完全直腸脱の手術は腹腔鏡下に行なっており、低い再発率を保っています。
便失禁の患者さんを対象に仙骨神経刺激療法を始めております。

メディカルノート

副院長 兼 消化器センター長 松原 長秀先生インタビュー掲載はこちらから

メディカルノートオンライン講座「大腸がん」 2020/10/16

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術とは、お腹の壁に小さな穴を数個あけ、その穴からお腹の中に細長い道具とカメラを差し込んで、カメラで観察しながら行う手術のことです。患者さんにとっては痛みや癒着が少なく、退院も早くできるようになりました。外科医にとっては、カメラで拡大した画像を見ながらの手術なので、より細かい手術が可能です。開腹手術では術後1週間以上の入院が必要な虫垂炎・胆石は腹腔鏡手術では手術後3~5日、大腸癌は約1週間~10日で退院が可能です。傷が小さいことで痛みが少なく、運動制限も少ないので、職場復帰も早期になります。

大腸癌の腹腔鏡下手術

癌が腸の壁に深く潜っていない早期癌は内視鏡で切除可能ですが、癌がさらに深く進み粘膜下層にしっかりと入ってくると、癌細胞はリンパ節に転移を始めます。この段階になると、転移の予測される範囲のリンパ節を全て切除する外科手術(リンパ節郭清)が必要になります。癌を切り取り、リンパ節を郭清、残った腸管同士をつなぐ外科手術を腹腔鏡で行っています。下部直腸癌の肛門温存手術も、腹腔鏡と肛門操作で行っています。

肛門温存手術について

肛門に近い直腸にできた癌に対する手術は、直腸を切断して、永久人工肛門を作る手術が標準手術です。一部の施設では、肛門を閉める筋肉(肛門括約筋)を取り去らずに肛門を残す手術(究極の肛門温存手術)が開発され、症例を選んでおこなわれるようになりました。当院では、この肛門温存手術を積極的に行っており、良好な成績を残しています。遠方からもこの手術を受けに来られています。この手術には術後のケアも非常に大切です。肛門近くの進行した直腸癌には、手術前に放射線と抗癌剤で治療した後に、肛門温存術をするようにしています。

対象疾患・実績

大腸癌

現在作成中

肛門疾患

現在作成中

胃癌

現在作成中

虫垂炎・腸閉塞・急性腹症など

現在作成中

胆道系疾患

現在作成中

鼡径部、腹壁ヘルニア

ヘルニアとは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態のことで、おなかの筋肉の壁が弱くなって穴が開いたような状態になり、その部分を通っておなかの中の腸や脂肪が飛び出してくることによりこの部位がふくれてくる病気です。 脱腸(だっちょう)とも呼ばれます。 当科では以下のヘルニアに対応しています。これらの中で最も頻度が高いのがそけいヘルニアです。

これらのヘルニアは自然に治ることはなく、放置しておくと次第に大きくなり、痛みなど強い症状が出るようになります。基本的には手術による治療が必要です。当院ではこれらのヘルニアに対して、傷が小さくて確実な修復が可能な腹腔鏡下手術を積極的に行っています。そけいヘルニアでは数日間の入院で治療可能です。
ヘルニア外来以外でも、外科外来の診察がある日時であれば受け入れ可能です。

乳がん・乳腺疾患

乳腺炎などの良性疾患から乳がんなどの悪性疾患まで幅広く診療しています。
乳がん診療では、しこりなどの症状で来られる方、乳がん検診要精査で来られる方などに対して、乳腺担当医が丁寧に診断を行います。乳腺の検査はすべて女性技師が担当いたします。
学会ガイドラインに則った標準的な治療を行います。
手術、薬物療法を主体に他科や他病院とも連携をとりながら個々の患者様に適した治療を進めてまいります。

診療内容
  • 乳がん検診 (症状がある場合)
    ** 症状がない場合の検診は健診センターでの受付になります
  • 乳腺良性疾患(乳腺症、乳腺良性腫瘍など)の精査、治療
  • 乳がんの精査 (マンモグラフィ、超音波検査、MRI、生検など)
  • 乳がんの手術 (乳房温存療法、乳房切除術など)
  • 乳がんの薬物治療(ホルモン療法、化学療法)
乳がん検診

当院では女性技師によるマンモグラフィ撮影を行っています。

【自費診療 ⇒ 健診センター】

症状はないが、乳がん検診をご希望の場合は自費診療になります。
概算は以下のとおりです。

マンモグラフィと視触診
自己負担額 4,285円

40歳以上で尼崎市民の女性は偶数年齢時に検診クーポンを受け取ることができます

マンモグラフィと視触診 40歳から64歳
自己負担額 2,200円
65歳以上
自己負担額 800円

【保険診療 ⇒ 乳腺外来】

乳房にしこりや痛みを感じたり、乳頭から液が出てくるなど、
症状のある方は 保険診療が受けられます。
概算で以下のとおりです。(3割負担の場合)

マンモグラフィと視触診
自己負担額 2,500円
マンモグラフィと超音波と視触診
自己負担額 3,500円
乳腺良性疾患

乳腺症、乳腺炎、乳腺良性腫瘍など良性疾患について診療します。
良性腫瘍では外来日帰り手術も可能です。

乳がんの精査

マンモグラフィ
乳房専用の特殊なレントゲン装置で乳房を圧迫しながら撮影します。

触診では診断できない小さなしこりや、悪性の可能性が高い微細な石灰化を発見するのに有効な検査です。

超音波検査(エコー検査)
乳房内組織からの超音波の反射を利用した画像診断装置です。
当院では女性技師による検査を行っています。

しこりの内部構造の描出に優れ、良悪性の鑑別がしやすく、マンモグラフィでは困難な乳腺の密な若い人の診断にも使うことができます。

MRI検査
X線ではなく磁気共鳴を利用して体の内部を画像にする検査です。

乳房のしこりの拡がり範囲を超音波検査よりもよりくわしく調べることができます。
また、造影剤を利用して良悪性の鑑別に役立ちます。

針生検(病理検査)
マンモグラフィや超音波検査で見つけられたしこりや石灰化のある部位が、がん組織であるかどうかを病理学的に診断します。

がん組織の悪性度や薬剤感受性も把握することができます。
局所麻酔下に針で少量の組織を取り出して検査します。

乳がんの治療

“日本乳癌学会診療ガイドライン”、および“乳癌治療国際会議”に則った治療を行います。
以下の治療方法を行っています。

手術
当院では以下の手術が可能です。

乳房温存療法
 乳房切除術
 腋窩センチネルリンパ節生検
 腋窩リンパ郭清

放射線治療
手術後に追加治療として行うことがあります。

照射設備のある病院(当院から紹介)への通院治療となります。

ホルモン療法
女性ホルモンの働きを抑制する治療です。

進行再発乳がんに対する治療のほか、術前療法や術後補助療法があります。
CDK4/6阻害薬との併用療法も行うことがあります。

化学療法
当院の外来化学療法室を利用して通院治療が可能です。

進行再発乳がんに対する治療のほか、術前療法や術後補助療法があります。
抗がん剤のほか、抗HER2薬などの分子標的薬も用いることがあります。

免疫療法
当院の外来化学療法室を利用して通院治療が可能です。

進行再発乳がんに対する治療として免疫チェックポイント阻害剤を用いることがあります。 患者様の乳がんの性状や病期に合わせて上記の治療を組み合わせ、オーダーメイドの治療を選択していきます。

専門外来のご案内

肛門外来

痔核、痔瘻、脱肛等の治療をしています。痔核に対しては、従来の結紮切除手術もしていますが、硬化療法(ジオン注)を積極的に行っています。肛門から直腸が脱出する完全直腸脱の手術は腹腔鏡下に行っており、低い再発率を保っています。排便障害、便秘等の治療も行いますので、排便、肛門でお困りの方は、気軽にお越し下さい。

その他の取り組み

仙骨神経刺激療法

便失禁でお悩みの患者さんへ

2019年2月より、仙骨神経刺激療法を開始しました。

SNM(仙骨神経刺激療法)とは?
排便に関係する神経に持続的に電気刺激を与えることによって、便失禁の症状の改善を図る治療法です。

SNM(仙骨神経刺激療法)の手順・手技
はじめに、体外に装着する機器を用いて一定期間電気刺激を行い、十分な治療効果が得られるかを確認します。これを「試験刺激」といいます。「試験刺激」により効果が認められた場合には、体内埋込型の刺激装置を臀部に植込み、治療を継続します。
刺激装置は体内に植込んだ後も長期的な症状の変化などに合わせて体の外から刺激を調整することができます。
「試験刺激」で効果が認められなかった場合には、装置を取り除き、治療を中止します。

紹介・治療の流れ

CVポートのご依頼

CV(中心静脈)ポートとは、内頸静脈や鎖骨下静脈などの中心静脈に点滴ルートを長期間確保するための皮下埋め込み型のデバイスです。ポート本体部分とカテーテルから構成されており、ポート本体に点滴針を刺入して薬剤が投与され、心臓近くの大静脈内に留置されたカテーテル先端から血管内に注入されます。

【CVポートの役割】

  1. 経口摂取困難の患者様への静脈栄養を目的とする
  2. 癌患者様への化学療法を目的とする

【CVポートの利点】

  1. 高カロリー輸液や抗がん剤などの投与が可能である
  2. 運動制限がなく、入浴可能である
  3. 在宅医療が可能である
  4. 採血や造影検査に利用できる

当科ではCVポートが必要な患者様に対して、CVポート造設およびそのメンテナンスに積極的に取り組んでいます。CVポートが必要な患者様のご紹介、お問い合わせにつきましては当院地域連携室までご連絡ください。

外科手術件数

年度をクリックすると下の表が切り替わります。

年度 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年
総件数 539件 533件 580件 413件 362件
2019年度 外科手術実績 総数 539
腹腔鏡下虫垂切除術 28
腹腔鏡下胃・十二指腸穿孔縫合 1
腹腔鏡下胃悪性腫瘍手術 2
腹腔鏡下大腸悪性腫瘍手術 56
腹腔鏡下大腸切除術 3
腹腔鏡下胆嚢摘出術 73
腹腔鏡下胆管切開結石摘出術1.胆嚢 7
腹腔鏡下腹膜炎手術 1
虫垂切除術 0
胃悪性腫瘍手術 8
大腸悪性腫瘍手術 3
胆嚢摘出術 4
乳腺悪性腫瘍手術 29
甲状腺腫瘍手術 0
その他 324
2018年度 外科手術 総数 533
腹腔鏡下虫垂切除術 24
腹腔鏡下胃・十二指腸穿孔縫合 0
腹腔鏡下胃悪性腫瘍手術 6
腹腔鏡下大腸悪性腫瘍手術 41
腹腔鏡下大腸切除術 3
腹腔鏡下胆嚢摘出術 63
腹腔鏡下胆管切開結石摘出術1.胆嚢 5
腹腔鏡下腹膜炎手術 3
虫垂切除術 2
胃悪性腫瘍手術 11
大腸悪性腫瘍手術 10
胆嚢摘出術 8
乳腺悪性腫瘍手術 24
甲状腺腫瘍手術 0
その他 333
2017年度 外科手術 総数 580
腹腔鏡下虫垂切除術 35
腹腔鏡下胃・十二指腸穿孔縫合 0
腹腔鏡下胃悪性腫瘍手術 3
腹腔鏡下大腸悪性腫瘍手術 46
腹腔鏡下大腸切除術 6
腹腔鏡下胆嚢摘出術 81
腹腔鏡下胆管切開結石摘出術1.胆嚢 5
腹腔鏡下腹膜炎手術 0
虫垂切除術 0
胃悪性腫瘍手術 8
大腸悪性腫瘍手術 7
胆嚢摘出術 2
乳腺悪性腫瘍手術 21
甲状腺腫瘍手術 0
その他 366
2016年度 外科手術 総数 413
腹腔鏡下虫垂切除術 28
腹腔鏡下胃・十二指腸穿孔縫合 1
腹腔鏡下胃悪性腫瘍手術 7
腹腔鏡下大腸悪性腫瘍手術 28
腹腔鏡下大腸切除術 1
腹腔鏡下胆嚢摘出術 59
腹腔鏡下胆管切開結石摘出術1.胆嚢 4
腹腔鏡下腹膜炎手術 0
虫垂切除術 2
胃悪性腫瘍手術 7
大腸悪性腫瘍手術 8
胆嚢摘出術 4
乳腺悪性腫瘍手術 16
甲状腺腫瘍手術 0
その他 248
2015年度 外科手術 総数 362
腹腔鏡下虫垂切除術 34
腹腔鏡下胃・十二指腸穿孔縫合 2
腹腔鏡下胃悪性腫瘍手術 12
腹腔鏡下大腸悪性腫瘍手術 36
腹腔鏡下大腸切除術 6
腹腔鏡下胆嚢摘出術 52
腹腔鏡下胆管切開結石摘出術1.胆嚢 1
腹腔鏡下腹膜炎手術 3
虫垂切除術 0
胃悪性腫瘍手術 4
大腸悪性腫瘍手術 4
胆嚢摘出術 4
乳腺悪性腫瘍手術 15
甲状腺腫瘍手術 0
その他 189

医師紹介

医学博士 松原 長秀

副院長 兼 消化器センター長
元兵庫医科大学下部消化管外科教授

専門医
日本外科学会専門医/指導医
日本消化器外科学会専門医/指導医
日本臨床外科学会評議員
日本消化器癌発生学会評議員
日本大腸肛門病学会専門医/指導医
日本内視鏡外科学会評議員
日本家族性腫瘍学会家族性腫瘍専門医
日本消化管学会胃腸科専門医
日本癌学会
日本癌治療学会
大腸癌研究会遺伝性大腸癌(HNPCC・FAP)委員会委員
近畿外科学会評議員
日本学術振興会 科学研究費委員会 専門委員
日本がん治療認定医
消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会評議員
日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍指導医

医学博士 木原 直貴

外科部長

専門医
日本外科学会専門医/指導医
日本消化器外科学会専門医/指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本がん治療認定医
マンモグラフィー読影認定医
日本静脈経腸栄養学会認定医
医師臨床研修指導医

平田 晃弘

外科医

専門医
日本外科学会専門医
インフェクションコントロールドクター (ICD)

前田 暁行

外科医

専門医
日本外科学会専門医

医学博士 平岡 邦彦 (非常勤)

専門医
日本外科学会専門医/指導医
日本消化器外科学会専門医/指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本がん治療認定医
日本乳癌学会認定医
マンモグラフィー読影認定医
医師臨床研修指導医

医学博士 野田 雅史 (非常勤)

専門医
日本外科学会専門医/指導医
日本大腸肛門病学会専門医/指導医
日本消化器外科学会認定医
日本がん治療認定医