外来ミニ講座(コラム)
認知症予防につながる生活習慣

2026.09.01

「最近、人の名前が出てこない」

「物忘れが増えた気がする」

年齢を重ねると、このような変化を感じることがあります。しかし、認知機能の低下を予防するために、日頃からできることがあります。その一つが運動習慣を身につけることです。

 

◇ 運動と認知症にはどんな関係があるの?

 適度な運動は、脳への血流を増やし、神経細胞の働きを活発にすると考えられています。

 また、高血圧や糖尿病など認知症のリスクとなる生活習慣病の予防にも役立ちます。特に「体を動かしながら頭を使う活動」は、脳への良い刺激になるとされています。

 

◇ おすすめの運動

 最も手軽に始められる運動です。

 景色を楽しみながら歩いたり、歩数を数えたりすることで、体だけでなく脳への刺激にもなります。目安は1日20~30分程度。無理のない範囲から始めましょう。

 歩きながらしりとりをする、買い物の計算をするなど、体を動かしながら頭を使う運動がおすすめです。脳と体を同時に使うことで、認知機能の維持につながると考えられています。

 椅子からの立ち上がり運動やハーフスクワットなどで下肢の筋力を維持しましょう。

 <ポイント>

  ・足を肩幅に開き、ゆっくりと腰を上げ下げします

  ・お尻を後ろに突き出すように下げ、膝がつま先より出ないようにしましょう

  ・慣れないうちは、椅子の背もたれなどを持つと、バランスを崩さず安全です

 認知症予防というと、「脳トレ」や「計算問題」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、日常生活の中で楽しみながら心と体を使うことが重要です。

 例えば、料理では献立を考え、材料を準備し、手順を思い出しながら作業を進めます。買い物では必要なものを覚え、金額を計算します。庭仕事や家庭菜園では、季節の変化を感じながら体を動かし、計画的に作業を行います。

 このような日常の活動には、記憶力や注意力、判断力など、さまざまな認知機能が使われています

 また、「好きなこと」や「やりがいのあること」に取り組むことも大切です。趣味や地域活動への参加は、人との交流や達成感につながり、心身の健康維持に役立ちます。

◇ まとめ

 認知症予防のために特別なことを始める必要はありません。これまで続けてきた趣味や生活習慣を大切にしながら、新しいことにも少しずつ挑戦してみましょう。毎日の生活をいきいきと過ごすことが、脳の健康を保つ第一歩です。

 作業療法士は、「その人らしい生活」を続けられるよう支援する専門職です。